2007年10月19日 (金)

相続プラザ

先日、“相続プラザ”オープンの記念セミナーに行ってきました。相続プラザとは、縦割りになりがちな相続の業務を横断的にサポートする窓口です。ご相談には、NPO法人相続アドバイザー協議会が認定する相続のプロ“相続アドバイザー”が対応いたします。

相続という言葉から連想するのは、大地主さんが亡くなった時、多額の相続税が発生し、相続税の支払いのために、土地を売るとか。相続税を軽減するために、アパートを建築するなどのイメージです。しかし、実際は相続税の課税対象になるケースは全体の4.2%。25人に1人の割合です。

相続税が発生する(しそうな)方には、税理士さんがいたり、節税対策の営業がきたりと、サポートする方もいます。この相続プラザでは、残り95%の相続税の課税対象にならない方を主な対象にしております。

世の中、絶対という言葉が適用されることは少ないですが、人は死ぬということは絶対です。資産があろうがなかろうが、相続が発生することも絶対。相続手続きが必ず必要になります。

上記の例のように、相続に詳しい方が周辺にいればいいのですが、そうでない方は、誰に相談(依頼)していいのか分からない、安心して相談できる人が欲しい、まとめて相談できるとありがたい、という思いがあり、その思いに応えるのが、この相続プラザです。

相続プラザの主な業務

1.相続が発生したお客様の手続きの代行
2.様々な問題解決のお手伝い
3.いざという時に慌てない事前相談

詳しい内容は、相続プラザのサイトにてご確認ください。

以下にご紹介するのは、相続プラザ第一号店(花小金井)代表の内藤さんのコラムより抜粋したものです。

≪誤解≫

1.遺言を作ったら、もう自分のものじゃない。自宅やマンションも処分できないし、預金も使うことができない。

2.有効な遺言書がある以上、相続人同士の話し合いで、遺言書の内容と違う財産分けをすることはできない。

3.夫が多額の借金を残して亡くなりました。夫は、妻を受取人とする生命保険に加入していました。生命保険金を受け取ると相続放棄ができなくなる。

4.私は何ももらわず遺産分割協議書に署名捺印した。もし父に借金があったとしても、財産を相続した長男が責任を負い、私は借金を支払う必要はない。

5.相続についての相談は、弁護士さんか税理士さんだ。

以上、5つの例はすべて誤解です。

--ここまで

私も相続アドバイザーに認定されておりますが、相続の相談は少なく、不動産や住宅ローンの相談が大半です。しかし、この相続プラザの形は、不動産や住宅ローンの相談を気軽にできる、横断的に対応するというコンセプトは、弊社の業務に相通じるものがあると感じ、弊社のこれからの業務に見習いたいと思います。

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2007年6月30日 (土)

生産緑地法

生産緑地法では、市街化区域内にある土地のうち、公害又は災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等良好な生活環境の確保に相当の効用があり、かつ、公共施設等の敷地の用に適した土地を“生産緑地”として都市計画に定めることができるとしています。

生産緑地は行政側からの一方的な指定ではなく、権利者全員の同意により申請するものです。生産緑地の最大のメリットは、本来、市街化区域内であることから宅地並みの固定資産税等が農地として安くなることです。しかし、デメリットとして、営農が原則であることから、解除したり、売ったり、貸したり、建てたりすることが厳しく制限されます。

生産緑地であるかどうかは、現地に行くと生産緑地である旨を表示した標識が設置されていますので、容易に確認できます。(標識設置は法的義務)また、都市計画図にも生産緑地の表示がされております。

生産緑地の所有者は、指定後30年経過した場合や主たる農業従事者の死亡または農業を継続できない事由が生じた場合、行政側へ買取りの申し出ができます。もし、行政側が買取らない場合は、生産緑地の行為制限が解除されます。これが生産緑地は30年間続くと言われる根拠となっています。但し、死亡などの事由により解除されるケースもあるので、30年間は絶対大丈夫とはならない。

相続を考えた場合、生産緑地に指定された農地を相続すると、相続税の納税猶予を受けられる可能性があります。ただし、農業相続人が終生営農を続けることが条件ですので、死亡するまで営農するなら有効ですが、途中で農業経営を止めると利子税も加算されてしまいます。※免除ではなく、猶予であるから猶予が打ち切られ、納税義務が発生する可能性は残る。

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農地法

農地法は耕作者の地位の安定と農業生産力の増進とを図ることを目的としています。農地法による農地等は以下のように定義されています。

農地等:農地及び採草放牧地
農地:耕作の目的に供される土地 → 現況にて判断(地目ではない)
採草放牧地:農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供される土地

農地法では、所有権の移転などの権利移動や農地以外への転用をする際、農業委員会または都道府県知事の“許可”が必要であるとしています。ただし、市街化区域内での転用や権利移転の場合は、農業委員会へ“届出”をすればよいとしています。※許可ではなく届出であれば形式さえクリアすればよい。

まとめ
市街化区域内の農地:権利移転や転用は容易(生産緑地は除く)
市街化区域外の農地:権利移転や転用は難しい

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2007年6月29日 (金)

生前測量

不動産売買に限らず、相続でも、測量(≒土地の特定と正確性)は、とても大事なことです。しかし、相続が発生した後に測量をしようと思っても、いろいろなマイナス要因がある。

相続対策と言えば節税対策というイメージがあるが、納税資金の準備、揉めないようにするのも、相続対策として大事なこと。境界紛争(対隣接者、相続人間)にならないために、相続対策の基本として、資産の把握≒生前測量はとても重要になってくる。

[生前測量のメリット]

1.将来の境界紛争が防げる。 → 境界を知らない人(相続人)だと相手から足元を見られる。
2.時間的な余裕が出来る。 → 相続後だと申告期限に間に合わないことも → 特例適用不可
3.物納しやすくなる。 → 物納では境界確認、測量は必須。越境物廃除。
4.測量費用を経費として考えられる。 → 相続税の減少

境界が不明、正確な現状が把握できていない土地などの場合は、ぜひ生前測量をすることをお勧めします。(相続だけではなく売却を検討しているとしても)

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2007年6月28日 (木)

境界

境界には、公法上の境界(筆界)、私法上の境界(所有権界)、現状の境界がある。地球上に一人しかいなければ境界でもめることはないが、複数いればもめる。境界線は感情線(勘定線)とも言い、諸刃の剣でもある。

1.筆界

明治6年の地租改正により土地を人為的に区分けした際、一区画毎の土地に地番という番号をつけた。表題登記がある一筆の土地とこれに隣接する他の土地との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた2以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。なお、境界線には広さという概念はない。

筆界は私人が自由に変更できるものではなく、筆界ができた時点で客観的に固定して動かない。(原始的筆界)これに対し、分筆や合筆をして出来た筆界は、新しくできた筆界であって、もともとの筆界が動いたわけではない。(後発的筆界)

2.所有権界

所有権の範囲を示す私法上の境界が所有権界。初期の地番の境は、所有権の境と一致していた。その後、分筆、合筆、時効取得などにより、所有権の境と地番の境となってしまった。

※土地の一部を時効により取得したとしても筆界が移動するわけではない。

3.現状の境界

土地を物理的に分けている境界。ブロック塀などで境界があっても、それが公法上の境界・私法上の境界と一致しているとは限らない。

[境界が揉めるケース]

・境界標がない(客観的な判断材料がない→勝手を言っても分からない)
・不正確な図面(明治4年の元々が間違っている、立会いなしの現況測量図など)
・公簿面積(登記簿上の面積は保証されない、信用できない)
・思い込み(自分の都合が良いように思い込んでいる、そう信じている、そう言われてきた)
・隣接者と仲が悪い(境界以外の揉め事が境界争いに発展する)

[境界が揉めていると]

・土地の売買や建物の建築に影響が出る
・不動産の証券化ができない
・地積更正登記、分筆登記ができない → 物納×
・面積が確定しない → 遺産分割ができない、相続争い

[境界で揉めないために]

・隣接者と信頼関係を培っておく
・思い込みと曖昧さを無くす → 事前に専門家へ依頼してきちんとしておく
・境界標をきちんと管理する

[境界で揉めてしまったら]

・筆界特定制度
・筆界確定訴訟
・裁判外境界紛争解決制度(ADR)
・所有権確定訴訟

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等価交換

等価交換とは、土地所有者の土地の上に、デベロッパー等が建築工事費等を負担して中高層耐火共同住宅を建設し、それぞれの負担割合に応じて竣工したマンションを取得する事業方式。

例:5億円相当の土地 → 一戸5,000万円のマンション20戸が竣工 → 10戸を地主が取得

等価交換の最大のメリットは、不動産譲渡税の課税を繰り延べ(※)と所有地の新しい建物に住めること。※繰り延べを受けるためには、等価交換の条件をクリアする必要がある。

課税を繰り延べるとは、等価交換時の土地等の譲渡利益に対しては課税なし。しかし、買換え資産(マンション)を譲渡する際、売った土地の取得原価を採用するため、譲渡税が増える。結果的には遡って課税することになる。

また、等価交換方式で取得したマンションを賃貸し、その不動産所得を申告する際の減価償却費は、基になる取得原価を採用するため、減少することになる。

[等価交換の条件]

1.個人が、既成市街地等およびこれに準ずる区域として政令で定める区域内にある土地等、建物または構築物を譲渡すること。ただし、譲渡資産の従前の用途は問わない。

ポイント:政令で定める区域内かどうかの確認

2.譲渡した土地等または建物・構築物の敷地の上に建設された耐火共同住宅とその敷地に買い換えること。

・耐火建築物または準耐火建築物であること
・地上階数が3階建て以上であること
・床面積の1/2以上が住宅の用に供されるものであること
・譲渡資産の取得者または譲渡者自らが建築すること
・譲渡資産を譲渡した年の1/1以降に買換え資産を取得すること
・譲渡資産を譲渡した年の12/31までに買換え資産を取得すること(特例で最長翌年3年内)
・買換え資産を取得してから1年以内に居住,事業に供すること(見込み、親族一部可)

[等価交換のメリット]

・自身で建て替えると資産規模は大きいが高額な借入金が生じることもあり
・売却すると現金化され、納税はしやすいが相続税が増加する
・複数の区分所有になれば、分けやすく、売りやすく、賃貸経営のリスクも分散する
・事業資金を土地代金でカバーでき、借入金を少なくできる
・ゆかりの土地で新しい建物に居住できる

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2007年6月22日 (金)

鑑定評価

相続税の申告のために土地を評価する場合、路線価方式が中心となり、当該敷地に接する道路の路線価から修正項目(面積、傾斜、形など)による調整をして求めます。すべての土地の約90%は路線価方式で対応できますが、一部例外がある場合、鑑定評価を行います。

路線価方式が使えないというケースは、路線価方式>時価となる場合です。

≪国税庁の事務連絡(平成4年3月)≫

・時価が路線価方式での評価を下回る場合、時価で申告しても構わない
・但し、時価として適切かどうか審査する

◇土地の評価

土地の評価は、物件の調査(特に行政法規)が重要ですが、その中でも“道路に始まり道路に終わる”と言われるくらい“道路”によって評価が変わります。(道路付け)

[道路に関してのチェック項目]

1.道路に接しているか
2.その道路は建築基準法上の道路か
3.道路の幅員は・・mか
4.その道路に2m以上接しているか

建築基準法では、同法で定める幅員4m以上の道路に、2m以上接していなければ建築はできないと定めてあり、建築できない(または制約がある)土地は、評価減となります。

[建築基準法で定める道路]

1.道路法による道路(いわゆる公道)
2.都市計画法による道路(開発道路)
3.既存道路(昭和25年当時、既に存在した道路)
4.計画道路(2年以内に施工される計画道路)
5.位置指定道路(特定行政庁から認められた道路)
6.2項道路(幅員1.8~4m未満、特定行政庁が指定、セットバックが必要)

※ 但し書き道路(建築審査会の審査が必要、道路として認められる可能性あり)

道路としての注意点として、路線価がある=建築基準法上の道路とはならないこと。路地状敷地(敷地延長とも言う)の場合、道路幅員や路地部分の長さに関しての規定が、各自治体で取り扱いが違うこと。

道路以外にも、行政法規などで、どのような敷地利用が可能なのか、何か制約条件があるのかにより、土地の評価は変わります。

この他にも、傾斜地・崖、敷地面積が広大であることなどで、時価が路線価方式を下回ることがあります。

[広大地評価]

広大地とは、開発行為に該当するか、位置指定等の道路を築造しなければ有効活用できないような面積が広い土地です。目安は1,000㎡(首都圏は500㎡)。但し、道路などの公共公益用地が必要になることと、大規模工場やマンションの敷地に適さないことが条件となります。

ダメな場合:マンションや工場として利用できる、道路を作らなくても宅地開発ができる、など

マンション用地か戸建住宅用地かの判断は、不動産業者や鑑定士さんでも迷うところですが、容積率、用途地域などの法規制、近隣や道路・立地の状況、面積や地形などを総合的に判断します。

ここは非常に難しい判断になりますので、税理士さんではなく、不動産鑑定士による評価が必要になります。(税理士さんは税のプロであり、土地評価のプロではないので)広大地と認められれば、納税者にとって有利になりますが、広大地と認めさせるのは非常に難しいので、いかに力(経験や実績、知識や知恵)がある不動産鑑定士に依頼できるかが分かれ目になります。

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2007年6月 8日 (金)

相続アドバイザー養成講座

6月6日(水)、相続アドバイザー養成講座が開かれる高田馬場のオフィスビル4階の教室は、多くの受講生から発せられる意欲で、緊迫した雰囲気になっています。

私は、真ん中よりやや後方で、第11講座“不動産業と相続”の講師である“ホリホーム・中條さん”の登場を待ちました。

定刻の少し前、講師控え席に、中條さんが着席しました。穏やかな人柄で人徳が滲み出る感じの中條さんが、どのような講義をされるのか、興味津々です。

講義が始まると、想像は簡単に裏切られてしまいました。

とても分かりやすく理路整然と、実例に沿った話を場面場面がリアルに思い描けるようにスムーズに話されるのです。お話が上手い方は、えてして“やり手”であるという印象を与えて、警戒心が生まれてくるものです。

しかし、やはり、中條さんは中條さんであり、どの話・実例の中にも、中條さんの人柄と高い意識が根付いていることが伝わってきます。

ここでしょうね、この相続アドバイザーの真骨頂は。

高いスキル、知識と経験、レベルの高い専門家のネットワーク、相続アドバイザーの基本的なところは当然なのですが、それ以上に、相続に関わる当事者の方にとって、どのような相続が良いのか、本質を見抜き、適切なサポートをしていくという意識の高さ。

中條さんは、私の師匠筋にあたるお二人が口を揃えて、“中條さんに見習っている、中條さんが目標であると”言います。そのことを耳にタコができるほど聞いてきましたので、どんな方だろう、どんな話をされるのであろうと思っていましたが、今回の講義を聞いて、納得しました。

今まで10回弱の講義を受けて参りましたが、中條さんが師匠としている野口さん(第1講座)を始め、どの講義でも、講師の方の意識とスキルの高さには驚くばかりです。

以前から面識のある協議会の評議員の方から、“どの講座もすごく濃いよ”と聞かされていましたが、そのことがとても実感されます。

受講生は全国から参加されています。中身がなければ、時間、交通費などから、
脱落者が出てきて、だんだん減ってくるのですが、養成講座の半分が過ぎても、参加者が減らないことを見ると、私だけではなく、受講しているみんなが、“この養成講座は外せない”と思っているのでしょう。

この思い、熱意が、講義開始前の緊迫感を醸し出しているのではないでしょうか。この事実が養成講座が本物であることを証明しています。

私が携わっている不動産でも、宅建の資格があるからといって、一人前にはなれないのと同様に、相続でも養成講座を聞いたからといって、すぐには一人前にはなれないでしょう。どちらも奥深いものだと思います。

この養成講座は、相続の基礎知識を教えているものですが、それ以上に、意識を高く持たなくてはいけないよ、ということを20回の講座の中で伝えたいのだと感じております。

相続アドバイザー協議会の詳細はこちら

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2007年5月25日 (金)

相続における生命保険の活用

◇ 生命保険の非課税枠利用

生命保険金については法定相続人1人当たり500万円の非課税枠が認められている。よって、同じ金額の金融資産でも、現金100%と現金50%保険50%では、非課税枠が利用できる分だけ節税になり、また、相続税納付の資金確保にも繋がる。

例:相続人が4人なら2,000万円の課税価額減になり、2,000万円×適用税率=節税額

◇ 保険料贈与プラン

契約者と受取人が子供で被保険者が親という契約形態の生命保険金は、子供の一時所得課税となる。毎年、保険料相当額の現金を、親から子供に贈与する。

三つのメリット
1. 相続税率>贈与税率なら、税率の差額分が節税
2. 贈与することにより相続財産の減少(結果的に相続税節税)
3. 相続税>一時所得の税金なら、その分だけ節税
        └→さらに一時所得のメリット
1:生命保険金から払い込み保険料を控除できる
         2:一時所得は50万円の控除ができる
         3:課税所得を2分の1にできる

 注意:保険料贈与プランは細かい注意点が多くあり、プロからのサポートが必要です。

◇ 生命保険金の代償交付金利用

相続財産のほとんどが不動産のケースで、複数の相続人がいるが共有にはしたくなく、さらに換価分割もしたくない場合、不動産を相続した人が他の相続人に対して、代償交付金を自分の財産(相続財産以外)から支払うことが必要になります。(他の相続人が放棄してくれれば別ですが)

その際、生命保険に加入していれば、生命保険金で解決することが可能です。手法は二つ。一つは、不動産を相続しない人を受取人とした生命保険に加入する。もう一つは、不動産を相続する人を受取人とした生命保険に加入する。この際、生命保険金は相続財産ではないため、代償交付金として利用が可能です。

相続財産:民法で定められている → 相続開始(死亡)時の財産
生命保険:相続開始後の財産 → 民法上の相続財産ではない、しかし、みなし相続財産として税法上は、相続財産として課税される。(民法と税法の区別)

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2007年5月22日 (火)

限定承認

限定承認とは、相続により債務は全て承継するが、弁済の責任は相続した財産の範囲内に限るという有限責任すること。

例)プラスの財産が多い場合(財産3,000万円、負債2,000万円)→1,000万円を相続
  マイナスの財産が多い場合(財産2,000万円、負債3,000万円)→弁済は2,000万円まで

限定承認を使うのは、財産や債務がどの程度あるのかはっきりしない場合や、相続順位を変えたくない場合、事業継続・残す財産の選択など。

例)弁済後、結果的にプラスになる
相続順位を変更しないことにより、後順位者に迷惑をかけない(巻き込まない)
  先買い権の行使により、特定の財産を取得できる

しかし、相続放棄と比べて利用されるケースが少ないのが実情。それは、この制度の認知度が低いことや資産と負債の多寡が明らかなことが多いこともあるが、手続きが複雑であり負担が大きいことが原因である。

[手続き]
・共同相続人の全員が共同して行う(一人でも単純承認、相続放棄をするとダメ)
・財産目録の作成(費用発生)
・債権者などへの公告や弁済(手間と時間)

[問題点]
・時間が掛かる(1~2年)
・弁護士費用の発生(相続債務ではない)
・税負担の増加(みなし譲渡所得税、準確定申告期限経過による加算)
・使いこなせるプロが少ない

なお、熟慮期間の3ヶ月以内に判断ができない場合は、期間伸長の申請により、延長も可能。

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相続放棄

平成になってから、毎年、“相続放棄”をする人が増え続けています。相続の基本は、資産も債務も全て引き継ぐことになるが、相続放棄をすることにより、被相続人の債務(借金)から逃れれることができます。

[効果]
・ 始めから相続人ではなかったことになる
・ 共同相続人がいても単独でできる

[手続き]
・ 家庭裁判所への申述(申述書提出→照会→回答→審理→審判・・)
・ 受理通知が到着後、受理証明書を申請する
・ 約1ヶ月~2ヶ月

[受理審判]
家庭裁判所の受理審判によって効力が生じることになるが、形式的な要件の他に、実質的な要件も必要。特に問題になるのが、熟慮期間、真意、法定単純承認事由の有無など。いったん受理されると取り消し(撤回)はできない。但し、詐欺や強迫の場合は可能。

受理審判には相続放棄の有効性についての既判力はないため、相続放棄の有効性について、争いになることもある。(債権者からの訴え)

[注意点]
相続放棄をすると、後順位に相続権が移ることもあるため、債務問題に後順位者を巻き込むこともあるので、相続全体からの検討が必要。

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2007年5月12日 (土)

公正証書遺言

遺言について、法律的には“法定事項、死亡による効果発生、単独意志表示、法定方式”と定められ、自筆証書遺言の場合、方式の不備、紛失・隠蔽、家庭裁判所での検認手続きなど、効果実現までに懸念事項がある。

しかし、公正証書遺言なら、公証人が作成するので、方式は正確であり、紛失・隠蔽もなく、検認も不要であることから、遺言作成に利用されるケースも多い。ただし、公正証書遺言の場合、手続きに証人が二人必要であったり、費用が発生したりという短所もある。

なお、証人から遺言内容が漏れる恐れをカバーするために、公証役場からの手配にすることも可能。しかし、証人への依頼料が発生する。(定めはないが、相場は一人1~1.5万円程度)

※ 民法では、未成年者、推定相続人、受遺者並びにその配偶者、子孫等の直系血族は証人になれないと規定している。

※ 遺言執行者は、証人とは違い、ただ遺言の執行をするだけであるから、上記のような規定はない。

[公正証書遺言の作成]

1. 必要になる書類

・ 印鑑証明書(遺言者本人、3ヶ月以内)
・ 戸籍謄本(続柄が分かるもの)
・ 住民票(相続人以外に遺贈する場合の受遺者)
・ 財産に関する書類(不動産謄本、評価証明書、通帳など)

2. 作成時

 遺言者の住所がどこであれ、全国の公証役場で作成することが可能。遺言者が病気等で公証役場まで出向くことが不可能な場合、公証人が出張してくれる。ただし、費用割り増し、管轄都道府県外は不可。

詳しいことは、気軽に公証役場へ相談することができます。公正証書を作成するための相談の際、相談料を受領してはならないという規定があるため、無料で相談できます。

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2007年4月13日 (金)

相続時の登記手続き

◆ 登記手続き

・ 遺言がある場合

公正証書遺言 → 除籍謄本取得後、すぐに登記が可能
自筆遺言 → 家庭裁判所の検認手続き後に登記が可能

・ 遺言がない場合

  遺産分割協議前でも法定相続での登記手続きなら1人でも可能
  遺産分割協議後、協議の内容に伴う相続登記なら確定

◆ 登記原因

・ 「・・を相続させる」遺言による登記:原因“相続”
→ 遺留分減殺請求の可能性、農地法考慮不要、相続人の単独申請

・ 「・・を遺贈する」遺言、相続人以外への遺言による登記:原因“遺贈”
   → 農地法許可届出必要、遺言執行者と受遺者の共同申請

・ 死因贈与による仮登記と本登記:原因“贈与”
   → 生前の贈与契約による登記手続き、仮登記は消えない

・ 遺産分割による登記:原因“相続”
   → 相続財産帰属確定

・ 法定相続登記:原因“相続”
   → 単独でも可能なため、遺産分割協議の内容が不明

相続登記があったら、実体の確認が必要。不動産登記法の改正により、登記原因証明情報の提出が必須になり、利害関係人であれば、登記原因証明情報の閲覧が可能になりました。

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遺言

遺言は民法の規定があり、この規定から外れたものは無効になります。満15歳以上であれば遺言することができ、遺言による相続(指定相続)は、民法で定められた法定相続に優先します。

自らの遺産の相続を生前に意思表示することにより、相続がスムーズに実現することや、被相続人の意志が反映された相続になりやすくなります。

遺言の形式には三種類があります。

1. 自筆証書遺言

遺言の全文、日付、氏名を自書(自分で書く)し、押印して作成した遺言。日付は“吉日”というのはダメできちんと書くこと。氏名はフルネーム。押印は、指印、認印でも有効だが、実印が望ましい。家庭裁判所の検認が必要になる。

2. 公正証書遺言

公証人が作成する公正証書によって行う遺言を公正証書遺言といい、以下の要件に当てはまらないとダメ。

・ 二人以上の証人が立ち会うこと
・ 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口述すること
・ 公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせること
・ 遺言者及び証人が承認した後、各自署名押印すること
・ 公証人が以上の要件を満たすことを付記し、署名押印すること

公正証書遺言の場合、法律の専門家が作成するため法的不備はなく、原本を公証人役場が保管するため、隠蔽や改ざんの恐れがない。家庭裁判所の検認が不要である。

3. 秘密証書遺言

民法970条にて、秘密証書遺言の方式が定められています。

・ 遺言者が、その証書に署名し、印をおすこと。
・ 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章を以てこれに封印すること。
・ 遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
・ 公証人が、その証書を提出した日附及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印をおすこと。

◆ 遺言の効果と活用

遺言を利用すると、第三者にも遺産を相続させることができ、相続させる遺産自体も特定できる。

遺言は遺産の分割方法以上に、被相続人の気持ち、思いを伝える“付言事項”が大事である。この付言事項により、相続人の争いや被相続人の思い、考えが実行されやすくなる。

遺言を残しておいた方が良いケース
・ 特定の相続人または法定相続人以外の者※に相続させたい
・ 子供がいない場合
・ 父母が異なる子供がいる場合
・ 相続人の中に行方不明者がいる場合

※ 内縁の妻、子供の配偶者、生前お世話になった人、公益事業などの福祉など

◆ 遺言の実務

遺言の執行は相続人全員で行うのが原則だが、遺言執行者を指定すれば、遺言執行者が相続手続きを単独でできる。もし、遺言執行者がいなければ、共同相続人全員の印が必要。

遺言は単純に新しい日付の物が有効となる。このため、書き換えなどのリスクがある。遺言の種類に優劣はなく、新しいほうが有効。

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相続人と被相続人

相続する人:相続人
相続される人(死亡した人):被相続人

民法では、相続人の範囲を定めており、これを法定相続人と言います。配偶者は常に相続人となるが、その他の相続人には順位があり、上位の順位者がいる場合、下位の順位者は相続権がありません。

第一順位 子または孫・・(直系卑属) + 配偶者
第二順位 親または祖父母・・(直系尊属) + 配偶者
第三順位 兄弟姉妹または甥姪 + 配偶者

例1) 子供がいる場合は配偶者と子供が相続人、親や兄弟姉妹は相続人ではない。
例2) 子供がいない場合は配偶者と直系尊属が相続人になり、兄弟姉妹は相続人ではない。
例3) 子供も直系尊属もいない場合は、兄弟姉妹が相続人になる。

※ 配偶者
配偶者とは、婚姻届けを出している夫または妻を指し、内縁関係の場合は相続人にはなれません。

※ 養子(法定血族)
実子と同じように相続権があり、第一順位になります。

※ 非嫡出子(自然血族)
父親から認知を受けていれば、実子や養子と同じように第一順位の相続人になります。

※ 胎児
無事に生まれてくれば相続人になる。

※ 均分相続
生まれの生後や性別に関係なく平等である。→ 平等と公平は別。ここに相続争いが生じる。

※ 家督相続
旧民法では“家”制度のもと家族の代表者として戸主があり、男子の年長者が優先的に戸主となり、家督を継いで全財産を相続した。この結果、相続争いは起きなかった。

※ 隠居
旧民法の“家”制度により、戸主が死亡する前に隠居して、子供へ家督相続することがあったが、現民法では、人の死亡(または死亡とみなされた)した時のみが相続の開始になる。

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法定相続分

相続する財産の分け方は、遺言などで指定がない場合は、法律で定める法定相続分によって計算されます。(遺産分割協議がまとまらず、調停・審判になっても)

民法900条【法定相続分】

 同順位の相続人が数人あるときは,その相続分は,次の各号の定めるところによる。

一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。

二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。

三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。

四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

計算例

1:相続財産1,000万円 → 配偶者500万円、子供500万円 → 子供が二人なら各250万円

2:相続財産900万円 → 配偶者600万円、直系尊属300万円 → 父母なら各150万円

3:相続財産1,000万円 → 配偶者750万円、兄弟姉妹250万円 → 兄弟二人なら各125万円

4:子供分の相続財産300万円 → 嫡出子200万円、非嫡出子100万円
  兄弟姉妹分の相続財産300万円 → 父母同じの兄弟姉妹200万円、父母の一方が違う兄弟姉妹100万円

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相続人になれないのは

相続欠格

民法では、次の不法行為をした者は、相続人の資格を失うとあります。

・ 被相続人を故意に死亡させたか、死亡させようとして刑に処せられた者
・ 先の順位や同順位の相続人を故意に死亡させたか、死亡させようとして刑に処せられた者
・ 相続人が殺害されたのに、告発や告訴をしなかった者
・ 詐欺や強迫によって、被相続人が遺言をしたり、遺言の撤回、取消し、変更をしたりするのを妨げた者
・ 詐欺や強迫によって、被相続人が遺言をしたり、遺言の撤回、取消し、変更をさせた者
・ 遺言書の偽造、変造、破棄、隠匿をした者

ただし、欠格者に子供がいれば代襲相続ができる。

相続廃除

民法では、被相続人は、相続をさせたくない推定相続人がいる場合、家庭裁判所にその推定相続人の廃除を請求することができると定めています。

この相続廃除ができるのは、被相続人に対して、虐待や重大な侮辱があったときか、推定相続人に著しい非行があったときとされています。

ただし、廃除された者に子供がいれば代襲相続ができる。

この相続廃除ができるのは遺留分のある相続人であると定められており、これは遺留分がない相続人である兄弟姉妹を廃除したいのであれば遺言でことたりるからです。

相続放棄をした者の子供

相続放棄をした場合、放棄をした者だけではなく、その子供の相続権まで放棄したことになり、相続人になることはできません。

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代襲相続

代襲相続とは、被相続人の死亡以前に、相続人となるべき子供や兄弟姉妹が死亡したり、相続欠格や相続廃除になって相続権を失った場合に、その者の子供が代襲して相続人になることです。

ただし、自ら相続放棄をした相続人の子は代襲相続できない。

また、第三順位の兄弟姉妹の子は、一代(甥・姪)しか代襲相続はできない。

代襲相続人が未成年の場合で、親も相続人の場合は利益相反行為になってしまうため、家庭裁判所で特別代理人を選定してもらう。

代襲相続人はその相続人の地位を引き継ぐことになるため、相続順位も同じ順位となります。

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相続財産

民法では相続財産を、相続開始時(死亡時)に被相続人に帰属していたものと定めています。これはプラスの財産もマイナスの財産もあり、そのどちらも相続することになる。

プラス財産の例:不動産、現金、預貯金、有価証券、各種権利や動産など

マイナス財産の例:借金、未払いの税金や債務など

なお、被相続人の一身に専属したものは、相続財産から除かれる。例えば、資格、生活保護受給権など。

◆ 保証債務

注意すべきは保証債務です。連帯保証人の地位も法定相続分で相続します。例えば、被相続人が2,000万円の保証をしていた場合、配偶者1,000万円、子供1,000万円の保証が引き継がれます。

相続時に保証債務が判明していれば対処法もあるが、被相続人が生前に分かるように残しておかないとか、忘れてしまうことも多い。

※ 身元保証人の地位は引き継がない。

◆ 借金

法定相続分で相続されるのが大原則。相続人間で任意に分割することも可能だが、債権者の承諾がなければ主張できない。債権者が免責的債務引受を承認すれば、任意分割の通りになり、借金を相続しないものは免責されるが、重畳的債務引受であれば、借金を引き継いだ者が債務不履行に陥った時、他の相続人に債務が及ぶ。

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養子縁組

養子とは、養親と法的に親子関係を結んだ者をいい、養子縁組届けが受けられた日から、養親の嫡出子※となり、相続権も含め、実子と同じ状態・権利を取得する。

◆ 養子縁組の条件

  養親側
・ 成年に達していること
・ 後見人が被後見人を養子にする場合は、家庭裁判所の許可があること
・ 配偶者のある者が未成年者を養子にするには、配偶者とともにすること
・ 配偶者のある者が養子をとるには、配偶者の同意を得なければならない

  養子側
・ 養子は、養親の尊属や養親より年長者でないこと
・ 配偶者のある者が養子となるには、配偶者の同意を得なければならない

養子縁組届けには証人二人が必要だが、受理する行政側が実質的な内容に踏み込むことなく、上記の条件が満たされているかなどの形式的な審査をするのみ。このため、一人暮らしの高齢者の相続人になるため、悪意を持って養子手続きをする不届き者がいるため、注意が必要。

再婚相手の連れ子には新しい親からの相続権はないが、養子縁組をすることにより実子とみなされ相続権が発生する。

◆ 養子縁組の解消

養子縁組をした養親・養子が死亡しても親子関係が自然と解消されるわけではない。養子縁組を解消したい場合は、協議離縁と裁判離縁がある。

◆ 養子縁組の効果

・ 実子と同等の相続権を持つ
・ 普通養子は実親と養親の双方から相続を受けることができる。(特別養子は要確認)
・ 相続税の基礎控除が増える
・ 相続税の計算上の税率が下がる
・ 生命保険金や死亡退職金の非課税限度額が増える

※ 嫡出子とは、結婚している夫婦から生まれた子供。
※ 非嫡出子とは、結婚していない夫婦からうまれた子供であり、母は実際に産んでいるので認知不要だが、父は認知することにより確定する。
※ 認知は、任意認知と強制認知がある。任意認知は父親が認知届を出して行う認知。強制認知とは、父親が任意認知をしない場合に、子供が認知を求める訴えを提起して行う認知。

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相続の仕方

相続の仕方には、単純承認、限定承認、相続放棄の三つがあり、相続を知った日から3ヵ月以内に、どれかを選択しなければならず、限定承認、相続放棄がされないときは単純承認したとみなされます。また、相続人が遺産を一部でも処分したときは単純承認したとみなされます。

1. 単純承認

被相続人の一切の財産(プラスもマイナスも)を無条件に相続すること。

民法920条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

2. 限定承認

限定承認の場合、プラスの財産の範囲でマイナスの財産を精算し、プラスの遺産が残れば相続できる。なお、限定承認をするには、相続を知った日から3か月以内に限定承認する旨を家庭裁判所に申し出る必要があり、これは相続人全員で行われなければならない。

限定承認するメリットは、相続順位が変わらないこと。相続放棄の場合、相続人がいなかったことになり、次順位に移る。

例外:限定承認の手続きをした後、一部の者が単純承認となる行為をした場合、その行為をした者だけが単純承認となる。

3. 相続放棄

相続放棄をした場合、最初から相続人とはならず、当然、プラスもマイナスも一切の財産を承継しない。相続放棄をするには、相続を知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申し出る必要がある。限定承認とは違い、相続放棄は単独でできる。

※ 最初から相続人にはならないので、代襲相続はできない。
※ 相続放棄は生前にできない。(遺留分は生前からできる)

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遺産分割

複数の相続人がいる場合、相続財産は相続開始とともに、いったん全相続人の共有財産となる。それを各相続人の相続分に応じて分割して、個々の所有、名義とすることが遺産分割です。

◆ 分割の方法

1. 遺言による“指定分割”
2. 相続人全員の話し合いによる“協議分割” → 全員連名、実印押印の遺産分割協議書
3. 家庭裁判所の審判による“調停、審判による分割”

※ 遺言による指定分割は、法定相続分よりも優先される。
※ 協議分割の場合、必ずしも法定相続分で分ける必要はない。
※ 遺産分割に期限はないが、税制の特例には期限があり、それまでには分割することがよい。

被相続人は、遺言で、分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から5年を超えない期間内分割を禁ずることができる。(民法908条)→家庭裁判所の審判により分割禁止の取り決めであれば分割できない。これは期限がない。

◆ 遺産の分配方法

1. 現物分割
不動産や現金などの現物を分ける。

2. 代償分割(代物分割)
法定相続分以上に財産を取得する相続人が他の相続人に金銭や他の財産を渡す。
  遺産分割協議書に代償金を明記すれば相続税、明記しないと贈与税の対象になる。

3. 換価分割
  お金に換金して分ける。

4. 共有分割(別記)
  相続人で財産を共有する。

◆ 遺産分割の留意点

遺産分割に先立ちもっとも重要なことは、相続人を確定することである。これは司法書士等の専門家に依頼するのが望ましい。もし、一人でも相続人を見落としてしまったら、遺産分割無効の訴えを起こされてしまう。

また、生前の相続対策でも相続人の確定は必要であり、まず最初に取り掛かる作業。

遺産分割が合法的に成立した後、分割しなおすことは可能だが、贈与税が発生する。申告や登記の前ならやり直しは可能だから、ギリギリまで待つのが柔軟な対応を可能にする。

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共有

被相続人が亡くなり、相続が発生するとその瞬間に遺産は法定相続分で所有権が移転し、遺産分割未了共有となります。

その後、遺言があり、遺留分を侵害していなければ確定し、遺言がなければ、相続人による協議が必要です。この協議で全員が合意に至れば、どのような分け方をしても有効になります。

遺産分割未了共有の状態でも、法定相続分であれば共有での登記が可能であり、この登記は相続人が単独でも行えます。この登記が入ってしまうと、遺言があっても、登記をするには手続きが必要になります。

不動産を取引する場合、登記簿の確認をしますが、登記原因が“相続”になっている場合は、未了共有なのか民法上の共有なのかは判別できないので、登記申請書で確認する必要があります。もし、未了共有なら遺言や遺産分割協議で違う登記内容になってしまうことがあります。

相続での民法上の共有は、遺産分割協議などの確定した共有であり、分割請求や強制換価分割ができるようになります。

もし、不動産を共有で相続する場合、親子や夫婦ならまだしも、兄弟姉妹での共有は避ける方が懸命です。不動産を共有すると全体に所有権が及んでしまい、いざ売却しようとしても全ての共有者から合意を得なければなりません。親子や夫婦なら合意しやすいですが、兄弟姉妹になると価格面で強気と弱気が交差したりなど、なかなかまとまらないというようなことがよく起こります。

そして、この兄弟姉妹の共有が続くうちに、この誰かが亡くなり、さらに相続が発生すると、相続人が新しい共有者になり、共有者の数が増えてしまいます。叔父、叔母と甥、姪などの関係になると、さらに合意が難しくなり、不動産が塩漬けということになってしまう恐れがあります。

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寄与分

民法では、共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定によつて算定した相続分に寄与分を加えた額をもつてその者の相続分とするとあります。

簡単に言い直しますと、被相続人の財産形成に寄与した場合、その分を遺産分割する相続財産から外し、その分を寄与した者に相続させるというものです。

財産形成に寄与する行為を条文から抜き出しますと、

1. 事業、家業などに関して労務の提供。但し、相当の対価を得てない場合。
2. 事業に関する財産の給付をした。(私財の提供)
3. 被相続人の療養看護に勤めた。(プロに頼んだら高額な費用が発生)

上記の結果、被相続人の財産の維持・増加に因果関係があると認められた場合、寄与分が発生しますが、共同相続人の協議で決めると定められており、寄与した者が一方的に“寄与分を主張”しても認められません。協議が不調に終わった場合、家庭裁判所の調停、審判で決まります。(実際の対価よりも低く見積もられがち)

また、寄与分は相続人しか受けることができないため、相続人の配偶者が寄与(療養看護など)してもダメ。このような場合は、遺言の作成が大切になる。

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特別受益(生前贈与と遺贈)

相続人が受けていた生前贈与や遺贈を特別受益といい、公平な遺産分割をするために生前贈与や遺贈を相続財産の中に戻すことを“特別受益の持ち戻し”といいます。

特別受益の持ち戻しが適用されない場合

1. 相続人が一人しかいない場合
2. 相続人が誰も持ち戻しを主張しない場合
3. 遺言の全ての財産が相続人に指定されている場合
4. 特別受益を受けた相続人が相続を放棄した場合
5. 相続開始時にプラスの財産が存在しなかった場合

※ 税法の持ち戻しは3年以内だが、民法上の期限はない。
※ 生前贈与を受けた場合、その評価は贈与時の評価ではなく、相続発生時の評価になる。

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遺留分

遺留分とは、一定の相続人が一定の割合を相続できるようにしている制度であり、その割合は直系尊属のみの場合は相続財産の3分の1。配偶者のみ、配偶者と子供、配偶者と直系尊属の場合は2分の1。

遺留分は、遺言にも勝る最低限の相続分である。この遺留分を主張するには、遺留分減殺請求をして初めて効力が生じる。内容証明で行うのがベストです。

遺留分は、家庭裁判所の許可を得て、生前に放棄することができ、誰かが放棄しても他の相続人に影響を与えない。減殺請求しない遺留分や放棄した遺留分は遺産をもらった人に帰属し、他の相続人の遺留分が増えるわけではない。

遺留分は、遺留分を侵害した遺贈や相続開始以前1年以内の贈与をあったと知った時から1年、知らなくても10年が経過すれば、時効で消滅する。

なお、兄弟姉妹は遺留分の主張はできない。このため、兄弟姉妹に相続させず、配偶者にすべてを相続させたい場合は、遺言が効果的になる。

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相続税計算の流れ

1. 各相続人が相続した財産に、3年以内の贈与や相続時精算課税適用財産を加え、相続人が相続した財産の合計額を出す → (A)

2. 相続財産合計(A)から非課税財産と債務を引く → (B)

3. (B)から基礎控除額を引き、課税資産総額を出す → (C)

4. (C)を法定相続分で仮に相続したものとして分ける → (D、D´)

5. 分けられた(D、D´)の金額×税率から、各相続人の相続税額を出す → (E、E´)

6. 各相続人の相続税額(E、E´)を合計し、相続税額の総額を出す → (F)

7. 相続税総額(F)を各相続人が相続した取得割合で按分する → (G、G´)

8. 按分された相続税(G´)に2割加算適用者は加算される → (H)

9. 各相続人の相続税(G、H)から税額控除や軽減分を差し引いたのが、実際に払う相続税額

計算式

 相続財産合計(A)- 非課税財産 - 債務 = (B)
 (B)- 基礎控除 = 課税資産総額(C)
 (C)× 法定相続割合 = (D、D´)
 (D、D´)× 相続税率 = 各相続人の相続税(E、E´)
 (E)+(E´) = 相続税総額(F)
 (F)× 遺産取得割合 = 各自の相続税額(G、G´)
 (G´)× 2割加算 = 2割加算適用者の相続税額(H)
 (G)- 税額控除や軽減 = 実際に支払う相続税額 ・・ (H)の計算も同様

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相続税額の計算

◆ 相続税の速算表

法定相続分に応じる取得金額  税率  控除額
1千万円以下 10% なし
1千万円超 3千万円以下 15% 50万円
3千万円超 5千万円以下 20% 200万円
5千万円超 1億円以下 30% 700万円
1億円超 3億円以下 40% 1700万円
3億円超 50% 4700万円

計算例:5500万円×30% = 1650万円 - 700万円 → 相続税額950万円

◆ 2割加算

被相続人の配偶者や一親等の血族(父母や子供)以外の者が財産を取得した場合、算出された税額に2割加算されます。例:孫や兄弟姉妹。ただし、子に代わって相続人となった孫(代襲相続人)は2割加算されません。

◆ 相続税の税額控除、軽減

・ 贈与税額控除 → 3年以内の贈与に対する贈与税額を控除)
・ 配偶者の税額軽減(別記)
・ 未成年者控除 → 6万円×(20歳-相続開始時の年齢)
・ 障害者控除 → 70歳未満が対象
・ 相次相続控除 → 被相続人が10年内に相続により取得し、相続税が課税されている場合
・ 外国税額控除 → 外国で相続税が課されている場合

◆ 配偶者の税額軽減

配偶者の生活を保障するため、税額を軽減する処置。配偶者が取得した財産が法定相続分以下なら、取得額がいくら多くても、相続税なし。法定相続分を超えていても、その額が1億6千万円以下なら、相続税なし。

この特例を受けるためには、婚姻届が出ている法律上の配偶者であることと、相続税の申告期限までに、遺産分割が確定していることが条件。

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小規模宅地の特例

被相続人が居住や事業のために使用していた土地は、相続人の生活基盤になる財産であり、処分しづらいことから、一定の面積までは評価を軽減する特例が小規模宅地の特例です。

この特例を受けるには、相続税申告期限までに遺産分割が確定していなければなりません。割合で評価減になるため、評価が高い土地ほど、減額は大きくなる。

◆ 居住用:240?uまで

被相続人の住居に同居し、その敷地を相続し申告期限まで居住していれば、240?uまでに対し、80%引き(20%評価)に減額されます。

※ 配偶者は無条件で適用だが、家を所有している人が相続すると50%減になる。

◆ 事業用:400?uまで

親族が、被相続人の事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、事業を営んでいれば400?uまでは80%引き(20%評価)に減額されます。

※ 賃貸不動産経営や駐車場経営なども事業ではあるが、こちらは200?uまでで、かつ、50%引き(50%評価)に減額されるまでに留まる。

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相続税基礎控除

基礎控除額 = 5,000万円 +(1,000万円 × 法定相続人の数)

計算例:法定相続人が妻と子供二人の場合
5,000万円 +(1,000万円 × 3人)= 8,000万円

この基礎控除額以内なら申告義務はない。ただし、相続時精算課税を利用した場合は、基礎控除内でも申告が必要になります。

基礎控除を超えてしまったら、小規模宅地の特例を使う。また、名義預金(被相続人の財産だが、家族名義にしてある)には注意が必要。

基礎控除の計算に参入される法定相続人の数は、実子がいる場合は養子一人まで参入、実子がいない場合は二人まで参入。ただし、特別養子や配偶者の連れ子を養子にした場合は養子制限の対象から外れます。相続を放棄した人でも、基礎控除の計算では人数に参入します。

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物納

相続税を始め、税金は現金で納めるのが原則ですが、期限内の納付が難しく、かつ、近い将来の納付(延納)も難しい場合に限り、現金に換えて物で税金を納めることができます。ただし、物納が認められるまでのハードルは、かなり高くなっています。

◆ 物納の条件

・ 相続により取得した財産であること。(物納にも優先順位がある)
・ 申告期限までに申請すること。(分割協議が成立し、所有者の確定)

一括納付や延納が困難と認められる事由(経済事情)を厳しくみる傾向にあり、また、地価も上昇傾向になると、物納よりも市場で売却し換金して納付する方向になると思われます。

物納するにしても、売却して換金するにしても、生前に土地の測量などの準備をしておき物納の適格要件みたしておくことが、納税のための準備・預金になります。

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相続税取得費加算

不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得として課税されます。不動産売却の利益は、売った金額から取得費や売却諸費用を除いた金額になりますが、この取得費に相続財産を譲渡した場合の特例として、相続人が相続で取得した不動産に占める相続税の金額を取得費に加えることができます。

売却金額 -(取得費 + 相続税 + 売却諸費用)= 譲渡所得

◆ 相続税取得費加算の要件

・ 譲渡する資産は相続で取得した物に限る
・ 相続税申告期限から3年以内の譲渡に限る(相続開始から3年10ヶ月以内)
・ 土地は相続で取得したすべての土地に対する相続税になるが、建物は譲渡した物だけ

この特例は、相続税に払うためなどという売却の目的の制限はなし。しかし、周りには“相続税を払うのにお金がなくて”などと言えたり、勝手に思われるため、不動産(特に土地)を売るには絶好のチャンスになりやすい。

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資産組替(相続)

相続税対策の基本のひとつが、相続財産の評価を下げることです。しかし、多くの方が錯覚しているのが、“借金をすればプラスの財産と相殺されて評価が落ちる”という認識です。

借金と財産評価の例

現在の資産:資産(プラス)2億円と負債(マイナス)1億円 → 課税価格1億円

この資産構成で、銀行から1億円の借金(マイナス資産)をすると、プラスマイナス“0”になって、課税価格ゼロだから相続税もゼロ?

借金したということは、現金1億円がプラスになったということですから、資産構成は、プラスが3億円、マイナスが2億円で、課税価格は1億円のままです。

借金して、そのお金を自分(被相続人)のために使ってしまうなら、プラスの資産が増えないので、課税価格は減少し、相続税も減ります。しかし、相続する資産そのものも減少することになります。生きている間を有意義にということであれば、これでも良いのですが。

また、逆パターンとして、上記の資産構成で資産から借金を返してしまっても、プラスが1億円、マイナスがゼロで、課税価格は1億円です。このケースでも相続税は変わりません。

上記の資産構成で、借金で得た現金1億円で1億円のアパートにしたら、現金から固定資産税評価額に変わるだけで、相続財産の評価減になり、さらに賃貸物件であることから借家権分が差し引かれ、さらにその敷地も貸家建付地として評価減になります。

資産価値をそのままに、相続税を減らすのは、借金そのものに意味があるのではなく、借金で得た現金を相続税評価の低い資産に組み替える“資産組替”によって生じるのです。

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相続財産の評価

相続財産は、原則として相続開始時の時価で評価します。上場株式や預貯金などは簡単に分かり、不動産のうち建物は、市町村で個々に評価してある“固定資産税評価額”のため、評価はすぐに分かりますが、土地と非上場株式(いわゆる中小企業のオーナー)は評価が複雑で難しくなっております。

◆ 土地の評価

まず、土地の評価は筆(土地の区分)単位ではなく、利用単位(複数の土地を同じ用途で使う)で評価します。評価方式は路線価方式(主に市街地)と倍率方式(主に郊外)とがあります。

路線価とは、市街地の道路ごとに付けられている“路線に面する敷地の標準的な評価額(1?u)”で、税務署に備え付けられている路線価図にて確認できます。現在はインターネットを通じても確認することができます。

◆ 路線価の加減算

路線価に土地の面積を掛けた価格が評価額となりますが、実際の評価(時価、取引価格)は、土地の形や大きさ、道路方位など様々な要素により異なります。相続税の評価は時価を原則とすることから、路線価により算出された評価額から、時価に近づけるための加算や減算をします。

加算・減算項目:奥行き、形、間口、崖、角、複数路線に接道など

◆ 利用形態による修正

土地の利用形態によっても、評価は異なるため、上記の計算により算出された評価額(※)から利用形態により評価を修正します。

※ 通常の評価は自用地。自用地とは自宅や駐車場、更地など

・ 貸宅地(いわゆる借地) → 自用地 -(1-借地権割合)
・ 貸家建付地(アパート用地) → 自用地 -(1-借地権割合×借家権割合)
・ 借地(借りている人) → 自用地 × 借地権割合
・ 私道 → 不特定多数の通行ならゼロ、特定人の通行のみなら30%
・ その他 → セットバック、高圧線下、都市計画予定地などは個々に修正

※ 貸家建付地は、土地と建物の所有者が違う時は適用されません。

◆ その他

アパートなど賃貸している建物は、固定資産税評価額の70%(大阪の一部は除く)
非上場株式は、純資産価格方式、類似業種比準価格方式、または、その併用

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生命保険(相続)

契約者:保険料を支払う人
被保険者:保険の対象になる人
受取人:保険金を受け取る人

生命保険は契約形態により、課税される税金の内容が変わります。被相続人(亡くなった人)を被保険者とした契約の場合、次の三種類に分かれます。

1) 契約者:被相続人 受取人:相続人 → 相続税
2) 契約者:相続人  受取人:相続人 → 所得税
3) 契約者:相続人  受取人:契約者以外の相続人 → 贈与税

3の贈与税になる契約形態は、特別な事情?がない限り、使われるケースは少ないと思います。

◆ 生命保険の非課税枠(死亡退職金も同じように扱われます)

500万円 × 法定相続人の数 = 非課税

この非課税枠を超えた生命保険金(死亡退職金)は“みなし相続財産”とされ、相続財産に参入されます。(相続税課税対象)また、受取人が相続人以外の場合は、非課税の適用がありません。

◆ 生命保険の活用

生命保険の受け取り金は、遺産分割ではなく、保険金の受取人と指定された人が受け取れます。また、民法上の相続財産ではない(ので、みなし相続財産)ため、(民法上の相続財産を)相続放棄した人も受け取ることができます。

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戸籍の見方

相続人を確定・推定するために、戸籍を死亡から出生まで遡り、確認していく必要があります。戸籍では、相続人の特定(配偶者、直系卑属、直系尊属、兄弟姉妹)の始まりから、代襲相続の有無、認知・廃除の有無、養子の有無が確認できます。

なぜ、出生時まで必要かと言えば、新戸籍の編成時に除籍者が移記されないため、出生まで遡り、除籍者の中に相続人の資格を持つ人がいるかいないかを確認する作業が必要になります。

この相続人確定作業で戸籍を辿る場合、見落としがあってはいけないので、司法書士に依頼することをお勧めします。

◆ 現行法戸籍(昭和23年1月1日~)

戸籍の編成基準:夫婦親子1戸籍(1つの夫婦と氏を同じくする子)

結婚などの新戸籍編成原因があった場合、新しい戸籍が誕生します。逆に親から見れば、子が結婚すると親の戸籍から除籍されることになります。

この他にもいろいろな戸籍編成原因、除籍原因があるため、様々な事由により、戸籍が枝分かれしていくだけ、“これ以上相続人が増える可能性はない”と言い切れるまで、相続人を確定・推定する作業は深く広く進んでいきます。

◆ 戸籍を辿る例

・ 現在戸籍:戸籍事項(平成6年法務省令・・による改製)
        → 同一戸籍に子が一人 → 直系尊属、兄弟姉妹の可能性はなくなった
   ↓(改製される前の戸籍へ)
・ 改製原戸籍:戸籍事項(・・より転籍)
 → 養子と結婚による除籍者(子)、配偶者死亡 → 子が二人増
   ↓(転籍前の戸籍へ)
・ 転籍前の戸籍:戸籍事項(昭和32年法務省令・・につき改製)
→ 前配偶者との子が結婚により除籍 → 子が一人増
   ↓(改製される前の戸籍へ)
・ 旧法戸籍:戸籍事項(家督相続)
   ↓
  出生まで確認完了

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相続対策の基本

1. 財産分けでもめないための対策

法定相続は“平等”ではあるが“公平”ではない。この隙間を埋めるのが遺言であり、その中の“付言事項”が、遺留分・減殺請求に効果が出ます。

相続争いというと“(プラスの)財産”を引き継ぎ、奪い合うイメージがあるが、実際には、不良資産や借金などのマイナス分を押し付けあうという相続争いもある。全てを清算してみたらマイナスということであれば、放棄するということで全員一致するが、トータルはプラスだけど、誰も引き取りたがらない資産があると、遺産分割協議は難航することになる。

借金は、遺産分割に馴染まず、債権者側の承諾がなければ、法定相続分で相続することになるので、借金の相続を考慮した分割ができるようにしておく。

2. 円滑な納税のための対策

相続税は現金一括払いが原則であり、円滑な納税のために、納税の資金準備をする必要がある。

・ 納税を見据えた遺産分割(ができるように、納税資金用の資産を準備)
・ 生命保険の活用
・ 不良資産の生前売却(売却の諸費用で節税対策にも)
・ 資産組替え

3. 相続税を少なくする対策

資産規模を維持しながら、収める相続税を少なくする。

・ 現金を評価の低い資産へと組み替える(資産組替え)
・ 贈与などで資産を移す(納税対策にも)
・ 生命保険の活用(納税対策にも)
・ 養子縁組などで基礎控除引き上げ、税率引き下げ

この相続対策は上記の順番が大切であり、それぞれの対策が相互に反発することもあるので、総合的な見地からみること、本質を見極めることが大事になります。

すべてを完璧にという対策はまず無理であり、どこを捨てて、どこを得るか、欲張らずに行うことが相続を成功へと導きます。

基本は、どう分けて、どう納めるのか、それが結果的に節税対策にも繋がります。

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税理士の選び方

ドラマなどで弁護士に依頼するシーンがありますが、その中で“うちは民事が専門だから”ということで断るシーンを見ることがあります。また、不動産業界でも、賃貸または売買専門、さらに、買う側、借りる側、売る側、貸す側に強いなどの特色があったり、自宅または事業用が強いとか、狭い地域が強い、広域に強い、さらに、土地に強い、マンションに強いなど、各業者により特色・強みが異なります。

これは税理士の世界でも同じことが言え、法人税・所得税が強い、資産税・相続税が強いなど、税理士ごとに特色・強みが異なります。どの業界でも同じ業界で仕事をしているのですから、一通り事務・業務はこなせます。しかし、相続のための税理士を選ぶなら、相続に強い税理士を選ぶべきです。

◆ 選ぶポイント

・ 書類や資料の説明や請求がすぐにきたか
・ 相続税納税額の概算を早め(2ヶ月程度)に出してくれたか
・ 現場を実際に見て回り、質問や確認をしてくれたか
・ 不動産の知識があり、個別事情の配慮や、資料を参考にしてくれたか
・ 実務経験が多く、相続時のポイントやリスクなどを説明してくれたか

はっきり言って、これらの内容を全て、ひとつの専門職(税理士)がこなしきることはできません。すべてをこなすスキルではなく、このポイントについて、各専門職と連携して対応するネットワークやコーディネートができるかどうかになります。

◆ 相続に必要な専門職

・ 税理士(相続税)
・ 土地家屋調査士(土地の測量、分割、確定)
・ 司法書士(相続人の確定、不動産登記)
・ 不動産業者(不動産の評価、事情、売却)

※ 弁護士は、争いという法律の分野になります。争いがないうちに弁護士さんに頼ると、法律的な見方が強くなり、かえって争いの方向に進むことがあります。(人間味より法的・理屈になりがち)

これらの“相続に強い”専門職を個別に探し、手配していくのは、かなり大変な作業になります。この専門職の中から誰かを中心としてコーディネートしてもらうか、これら全てをコーディネートする相続専門家に依頼するのがベターかもしれません。

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相続人の確定

生前に相続対策をするのも、相続開始後に相続手続きをするにも、まず、しなければならないことが、相続財産の特定と相続人の把握・確定をすることになります。

相続人全員ではない遺産分割協議は無効であり、登記申請時に未知の相続人が出てくると、一切手続きができなくなり、やり直しになります。

◆ 相続開始次期の確認

相続は相続開始時点の法律を適用するため、相続開始がいつなのかを確認し、昭和23年1月1日の現行民法が施行する前か後かを見ます。(昭和22年5月3日の応急措置法の前か後か)

◆ 法定相続人の確認

現行民法では、法定相続人を次のように定めております。

第一順位:配偶者と子(代襲相続は直系卑属)
第二順位:配偶者と直系尊属
第三順位:配偶者と兄弟姉妹(代襲相続は兄弟姉妹の子まで)

先順位の法定相続人がいる場合、次順位は法定相続人にはなりません。

◆ 放棄、欠格、廃除

・ 相続放棄

家庭裁判所の相続放棄申述受理証明書にて確認できる。代襲相続はなし。

・ 相続人欠格

戸籍には記載されないため、裁判の判決謄本等にて確認する。代襲相続あり。

・ 相続人廃除

戸籍にて確認できる。代襲相続あり。

◆ 代襲相続

相続人が死亡、欠格、廃除の場合、同一順位で被代襲者の相続分を相続する。複数名いる場合は、さらに均分される。なお、養子縁組前の養子の子は代襲相続人にはならない。

◆ 相続開始後の相続人死亡

相続開始後(A)に相続人が死亡した場合、代襲相続ではなく、相続人の地位を相続するということで、相続人の相続人が(A)の相続手続きに入ります。(代襲相続なら子だけだが、相続人の相続人は配偶者も入ることもありえる)

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