不動産取引を携わる者として必須の資格が“宅地建物取引主任者”。合格率10%ちょっと。出題範囲は広くて、不動産業界の根本的な仕組みの基礎となる宅地建物取引業法の他、都市計画法や建築基準法など不動産に関わる法律や税法、不動産や建築に関わる一般的な基礎知識など多岐に渡る。
その中で、私個人が一番楽しく学べて、これは不動産業に携わるかどうか別としても、学んで良かったなと思えるのは“民法”。民法では、生活や社会活動をする中での基本的なルールであり、暮らしていく上で知らなければならない基本中の基本です。
外国でどのように扱われているか分からないが、日本の教育の中で、生活していくうえでの基本的なルールである民法を、法律に基づいて教わる機会は、自主的に学ばない限り、訪れない。
スポーツをするのにルールを知らずして行うとどうなるかを想像すれば、生活をしていくうえで民法を知らないのがどれだけ恐ろしいか。スポーツなら避けることができるが、生活は避けられない。
寂しさ空しさが生じてしまうのは辛いが、法治国家である以上、生活に関わる法律くらいは社会に出る前には学ぶべきである。現状では、“それが決まりだから”とか“みんなそうしているから”など抽象的に伝聞で身につけていることが多いが、こういう場合はこのように取り扱われると定められていると教わるほうがすっきりすると思えるのだが。(法律を取り扱う番組が流行ったのもこの心理からか)
定められている法律がすべて正しいと言うのではなく、現状でそう定められているなかでは遵守する。法律が違うというなら、改正へ動けばいい。自分勝手にこう思うからと、定めと違う行為を行うのは間違っている。
その民法第557条で、「買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。」
また同法第641条、「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。」
契約を交わす。これも民法の定め。解約する自由・権利も民法で定められている。売買契約や請負契約を解約することは権利であるから構わない。しかし、権利がある分、義務・条件もあるのが当然。民法では、手付金放棄か倍返し、損害賠償も認められている。
権利が守られている。その権利を行使する。でも、義務は逃げる。では、民法の規定としても、それこそ人として、常識としても、おかしいのはご理解頂けますよね。
しかし、民法という社会生活の基本的なルールを学ぶ機会がなかった人は、一方的に解約する、支払った手付金は返せ、などという法に反したことを平気で意思表示してしまう。
このような人を、おいおい基本的な社会の仕組み=法律を知らないのかよと責めるには、無知≒社会的な弱者のような気もして、ちょっと気が引ける。
法律の大原則として、知らない方が悪いというものがあるが、大きな意味で社会に出る前の準備が足りないのではないか。特に不動産・住宅に関係すること、お金・金融に関することなど、社会経済活動に関する啓蒙が足りない。
最近の犯罪行為の若年化という基本的なことを含め、何かが違うのではないか。若者そのものよりも、大人、特に社会的な影響が大きいテレビを通して見える大人、一番は私利私欲に走る政治家に根っこがあるように思われてならない。選挙の結果は民意ではない?国民第一と言いながら選挙をすると議席が減るからと実施しない矛盾を若者は厭戦気分で感じているのではないだろうか。
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