2008年7月 8日 (火)

インフレと金利と不動産

インフレ(インフレーション)を経済用語として説明すると“物価が上昇すること”。不動産(土地)は正式には物価には該当しないらしいが、物であることは確かであり、物の価値が上昇するのだから、不動産価値も上昇することになる。この基本原則から、“不動産はインフレに強い”と言われてきました。

物の価値が上昇する≒お金の価値が減少する。現在、Aという不動産が1000万円で買える。1年後、同じAという不動産を買うためには1100万円が必要となる。この場合、物価上昇率(インフレ率)10%。

お金として現在1000万円を所持していても、上記のようなインフレの場合、同じ金額で同じ物は買えない。このことから、1000万円の価値が下がったことになる。

インフレの際、お金を不動産に置き換えると、時間の経過と共に不動産の価値が上昇し、換金するとお金が増えて戻ってくる。

住宅ローンの借入などで1000万円を調達する。金利が3%とすると1年後に1030万円を返済しないといけないが、換金した後のお金が1100万円になっているので、差引70万円の現金が手元に残る。

不動産の売り買いには諸経費が掛かるので、単純に上記のようなことにはならないが、インフレの基本を説明したまでなので、突っ込まないようにお願いします。

バブル崩壊後、しばらく続いたデフレ(デフレーション)はインフレの逆なので、物の価値が下がり、お金の価値があがることになる。

インフレ・デフレのどちらでも、物とお金の価値が動くことにより、金利も動くようになる。インフレの場合、お金の価値が下がることから資金を物に変える動きが出る。金融市場ではお金の価値を下げないようにするため、時間の経過と共に価値が上昇するように金利を上がる。日銀でも過剰なインフレを抑えるため、市場から資金を吸収しようと金利を上げる。

現在、諸物価が上昇し、先日の日銀総裁のコメントでもインフレが懸念されるとあったが、では、原則通り金利が上昇するのかというのは悩ましいところ。

一般的にインフレは、景気が上昇し、物に対しての需要が増えることから、供給が足りなくことで発生する。しかし、今回の物価上昇は景気が上昇したことにより始まったのではなく、供給側の事情で始まった。景気が上昇して、というのがないのが問題。

景気が上昇していれば、景気の過熱を抑えるためも含め、金利が上がるという素直な流れで解釈すればいいが、景気が良くないため、物価上昇を抑えるため≒金利を上げる、と、景気を良くするため≒金利を下げる、という葛藤になる。

不動産も、景気上昇でのインフレではないため、価値が上昇する気配はない。金利が上昇する・負担が増える、不動産の価値は上昇しないという両面で悪い方向になる。

通常のインフレ時なら、金利上昇分以上に不動産価値の上昇があるとなれば、金利が上昇しても不動産を買うという考えで良い。しかし、現在の金利上昇はそうならないので、よく検討が必要である。

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2008年7月 1日 (火)

2008年路線価

路線価とは、道路に面した土地の評価額(1/1現在)で、相続税や贈与税の算定基準になる価格。公示地価は地価動向のため国土交通省が管轄であるのに対し、税金のために評価するため国税庁の管轄。公示地価の8割が目安と言われる。

実際の不動産市場との一致性は差し置いて、公示地価が実勢価格を示すということになっていることから、路線価を0.8で割り返してあげれば実際の土地評価に近づく。(それでも少し安めになる傾向がある)

道路ごとに評価額を出すため、ほとんどの土地の評価額を算出することができる点が、基準点のみの公示地価よりも優れている。ただし、道路方位などの諸条件を考慮せず、同じ道路に接すれば同じ評価となることから補正が必要。

この路線価が本日(7/1)が発表されたのですが、新聞記事などによると、伸び率が低下したものの3年連続上昇したとのこと。細かい数字を検証したわけではありませんが、公示地価も含め、公的な地価評価は、およそ1年遅れていると思われる。

発表された内容から逆算してみれば“昨年の同時期に地価上昇は続いたもののピークを迎えた”ということになる。弊社がある千葉県は浦安や市川などの都心隣接地以外は急上昇したわけでもないので、地価が下落した実感は小さいが、都内では地価の下落を如実に感じると不動産業者や鑑定士から聞かされることが多い。

地価というのは土地の価額(当たり前か)なので、土地や一戸建ての方が影響がありそうだが、ここ半年のニュースを見ていると、マンション分譲会社の方が影響が出ているように思える。(大手の大京やダイヤ建設が在庫値下げ処分を決めたなど)

建築資材の高騰に加え、地価の上昇が用地仕入れ費用を上昇させ、販売価格の上昇に繋がった。これに景気後退と物価や金利上昇による家計負担の増加による購買力の低下が重なり、販売不振に陥った。

このような市場や景気などの経済的な要素が主因であるが、副因には人口の減少、住宅ストックの増加(家余り)という社会的な要因がある。そして、この社会的な要因は経済的な要因以上に長く、ボディーブローのように効いてくるはず。

経済的な要因なら耐え忍んで、また日が昇るのを待つという手もあるだろうが、社会的な要因を考えれば、分譲事業は終焉を迎えているのであり、ストックを生かした中古市場が主役になる時代が幕開けしたのではないかと、この地価下落を見て感じている。

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住宅ローン7月分実行金利

各銀行より平成20年7月実行分の住宅ローン金利が発表されました。

主要銀行の主な7月実行金利は、以下の通りです。
(比較しやすいように全期間優遇適用後で表示します)

・変動金利 三菱東京UFJ銀行:1.675%
      三井住友銀行:1.875%
      みずほ銀行:1.875%
      千葉銀行:1.875%
      住友信託銀行:1.675%
      中央三井信託銀行:1.575%
      三菱UFJ信託銀行:1.875%

・3年固定 三菱東京UFJ銀行:2.55%
      三井住友銀行:2.75%
      みずほ銀行:2.65%
      千葉銀行:2.65%
      住友信託銀行:2.40%
      中央三井信託銀行:2.35%
      三菱UFJ信託銀行:2.65%

・5年固定 三菱東京UFJ銀行:2.75%
      三井住友銀行:2.95%
      みずほ銀行:2.75%
      千葉銀行:2.95%
      住友信託銀行:2.55%
      中央三井信託銀行:2.45%
      三菱UFJ信託銀行:2.80%

・10年固定 三菱東京UFJ銀行:3.05%
      三井住友銀行:3.20%
      みずほ銀行:3.00%
      千葉銀行:3.10%
      住友信託銀行:2.75%
      中央三井信託銀行:2.70%
      三菱UFJ信託銀行:2.95%

・35年固定 三菱東京UFJ銀行:3.50%
      三井住友銀行:3.49%
      みずほ銀行:3.30%
      千葉銀行:3.28%
      中央三井信託銀行:3.28%

7月も3ヶ月連続で金利の引き上げになりました。唯一、全期間固定金利だけが、ほんの少しだけ引き下げになりました。

住宅ローンの金利は金融市場の中の長期金利(10年物国債)に影響を受けます。先月後半から上昇傾向にあった長期金利が低下してきたので、7月の金利は下がるか横ばいかと思われましたが、予測が外れてしまいました。

新聞記事などでは「長期金利の上昇の影響により住宅ローン金利も上がりました」というフレーズが使われますが、金利動向と比較すると、ちょっと腑に落ちません。

ボーナス時期で資金需要が増えて資金の手当てができなかったのか、それとも、原油高や物価上昇で銀行の収益も落ちており、直接の声が届かなくて御しやすい住宅ローンで収益を補おうとしたのか。まさかではありますが。

短期的な金融市場の動向で上昇傾向にはありますが、根本的な景気の問題があるので、際限なく上昇すると思えません。夏枯れの資金余剰から、8月は金利が引き下がることに期待です。

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2008年6月27日 (金)

長期金利動向を見て

金利のお話をする前にちょっと。

今朝の新聞各紙で“東京電力が電気料金値上げ!”がトップ記事として取り上げられていました。ガソリンと同じくらい家計や物価に影響を与える電気料金。

直接的な電気料金も痛いですが、間接的な物価への影響がどこまであるのか不安です。ガソリン、食料品などの日常的な物から車や住宅などの高額消費財まで、なにもかも価格上昇。

しかし、収入は増えない。健康保険料も年金も上がり、可処分所得(手取り)は増えるどころか減ってしまう。この先、どうなってしまうのか。こんな不安な状況で不動産の購入なんて、と思うのも反面。永く先(老後)まで考えると、先手を打つということもあるのか。どちらにしろ、しっかり考えてみることが大事です。

さて、お題目の長期金利について。

5月、6月と住宅ローンの適用金利が急上昇し、金利の流れが変わった様相を示していたが、6月の後半になって、住宅ローンの適用金利に影響を与える長期金利(10年債利回り)が低下傾向にある。

4月以降、金融市場では物価上昇・インフレ懸念から金融引き締めを予測し金利が上昇した。しかし、インフレ懸念以上に日米の景気悪化が上回り、金利が低下傾向へと変わった。

今後、インフレ(金利↑)と景気悪化(金利↓)とのせめぎ合いの結果、どちらが上回るかで金利動向は決まる。ギャンブル的な要素が入ることは否定できないが、どちらが勝つのかを予想すれば、自ずと対応も見えてくる。

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2008年6月26日 (木)

住宅ローン新規貸し出し減少

◆住宅ローン、落ち込み鮮明に 新規貸出額5.7%減

 住宅ローンの落ち込みが鮮明になってきた。2007年度の国内銀行による新規の住宅ローンの貸出額は約14兆8000億円で、前年度に比べて5.7%減少した。2年連続の前年割れで、融資額は6年ぶりの低水準となった。改正建築基準法の施行に伴う住宅着工の減少や、不動産価格の上昇による需要の落ち込みなどが主因。大手銀行は金利や手数料の優遇などで、少ない需要を取り込もうと懸命だ。

 日銀の統計によると、国内銀行が07年度に新たに貸し出した住宅ローンは14兆7920億円にとどまった。過去の住宅ローンを含めた今年3月末の融資残高は約97兆6000億円と前年同月比3.6%増えたが、足元では「景況感の悪化などで、個人は住宅ローンの借り入れに慎重になっている」(全国銀行協会の杉山清次会長)という。

(日本経済新聞・平成20年6月26日)


景気が思わしくなく、住宅ローンの借り入れ≒不動産の購入に慎重になっていることは間違いなくその通りだと思います。

しかし、それ以上に住宅ローンの新規貸し出しの減少は、社会的な要素が大きいのではないでしょうか。

近年の不動産購入ブーム?で団塊ジュニアと呼ばれる層の一次取得者(初めて家を買う人)のうち、家の購入を希望する人は既に購入していることが多く、潜在的な購入希望者が減少していること。

ネット難民までとは言わなくても、購入層の世帯収入が減少しており、購入を希望していても、住宅ローンが借りられない。単純に収入の高低以外にも、不動産を購入に動き出す前までの過去に問題があるケース(借入、貯蓄)など、慎重以前の問題。

違う言い方をすると、自分たちにとって適正な住宅ローンではなく、ちょっと高望みをしてしまう。この高望みにはわがままというケースもなくはないが、それ以上に、ひとつひとつは理解できるような希望でも、それを全て満たそうとしてしまう心理。

だからといって、住宅に対しての不安不信から安い方にも行きづらいし、新聞の分析通り、地価が高くなりすぎたことと、資材高騰での住宅価格上昇という厳しい状況。

新築着工数の減少と同じく、新規貸し出しの減少は短期的なことではなく、長期的なことだと思われる。不動産市場と同様に根本的なところから変わらなくてはならないのではないか。

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2008年6月13日 (金)

市場崩落の余波

数日前、昨年取引した中堅の不動産会社が倒産したという話を聞いた。その会社は都内に所在し、日常の付き合いがないので、個別に倒産した原因は分からないが、不動産市場の動向と今までの経験値から、特段と不思議な感じはしなかった。

この件から、東京商工リサーチの倒産速報を眺めてみた。そこには不動産業者の倒産があまりにも多い。現在の不動産市場と業界を実感した。

私見だが、不動産業者が倒産するケースで一番多いのが、急成長、中途半端な規模に拡大した新興企業である。上記に紹介した会社がまさにそれ。

財閥系や電鉄系、その他古くからの大手不動産会社はバックボーンがあり、そうは潰れない。零細企業は潰れるということよりは後継者不在・代表の死去に伴う廃業が多い。

不動産業界で潰れるのは、いわゆるイケイケ路線で拡大した元気の良い会社。社会や経済の状況が良く追い風の時は、飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大するが、逆風になると急にバタンときてしまう。

販売不振、金融引き締め、追い風が前提の経営であるから、風がなくなったら落ちてします。昨年のサブプライムローン問題や改正建築基準法の影響が直接の原因だが、これらの問題がなかったとしても時間の問題であったのではと感じていた。

給与水準が上がらない、人口が減っていくにも関わらず、大量に供給し、価格を高くしてしていけば、いつかは壁にぶつかることは自然の成り行きである。

不動産市場が崩落して一番大きく影響しそうなのが、やはりマンションではないか。ここ連日の新聞では新築マンションの契約率が低迷している記事が掲載されている。

マンションの新築分譲在庫は日々増加している。仮に新築マンションの半分が売れ残ってしまったら、その売れ残りはどのようになるのか。

一番多いパターンが賃貸マンションとして貸し出すこと。外から見たら、ほとんどの部屋に入居者が居て、全部売れたんだと思われるが、実はいつまでも販売するわけにもいかず、自社もしくはどこかに買ってもらって、賃貸にすることは多い。これはかなり昔から行われており、新興企業のみならず、大手でも行われている。

建売住宅なら売れ残った隣の家が賃貸になっても直接の影響はないが、共同住宅であり共同自治であるマンションの場合、生活に影響が出る。

例えば、駐輪場や共用施設の利用。賃貸入居の方が悪意故意ではないとしても、これからも永く住むわけではなく、一時的な居住であれば、意識は落ちてしまう。

とは言っても、購入時の居住者がずっと住み続けることはなく、時間の経過とともに売却したり賃貸したりされ、住民は入れ替わる。このことを気になるのなら、マンションそのものでは居住できないのかもしれない。

ちょっとしたことでも神経質になり、クレームをつける時代。譲り合い、思い合い、まぁいいんじゃないのと大らかな時代ならマンションでの共同生活も考えられるが、これからは難しい時代になったかもしれない。

建物そのものは年々良くなっているのだが、住民との人間関係が難しい。資産価値として考えても、自分がどんなに努力しても、同じマンションに指定団体構成員までいかなくても、ちょっと変な人が引っ越してきたら、資産価値は落ちてしまう。

資産価値よりは利用価値を重視することに加え、資産価値が下がったときに対処できるような購入をしたいものである。市場が崩落したところに追い討ちをかけるようであるが、居住者や管理状況が見えていること、購入費用を抑えられることなどから、新築よりも中古マンションの方が良いのではないか。

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2008年6月12日 (木)

深夜帰宅の足

ここ数日、霞ヶ関のタクシー接待、都の水道局の無駄なタクシー利用など、タクシーに関するニュースが報道されています。

亡くなった私の祖父も長年、個人タクシー業を営んでおり、タクシーそのものを悪くは書きたくないのですが、税金の使い道としてはいかがなものか。

さて、話は変わって、私は船橋市の小室というところに住んでおります。都内または弊社近くの柏や船橋など会議や集りがあって、終電もなくなりタクシーで帰ることも月に何度かあります。

船橋と言っても実質白井市のような立地ですので、柏駅からで約5,000円、船橋駅からで約6,000円、都内になると軽く1万円は超えます。新宿の場合だと、次の日の仕事に影響が出ないなら宿泊した方がいいくらい。

このような出費が税金で賄えるならまだしも自腹となると、タクシーに乗る度に都内に近い方がいいなと思ってしまいます。お住まいをお探しになる方も同様のことを考えられるのではないでしょうか。

そこで時間は掛かってもいいが出費は抑えたい方に深夜バスという手段があります。

私が住んでいる小室は北総鉄道になり千葉ニュータウン中央駅の一つ隣駅です。この千葉ニュータウン中央駅まで、有楽町駅発の深夜バスが6月16日から運行されます。

今までは有楽町駅を出発後、上野駅を経由し、松戸駅・新松戸駅~八柱駅・五香駅という松戸市内へ運行しておりましたが、これが延長されることになり、金町駅と松戸駅からの乗車も可能になります。

この他に都内から千葉方面への深夜バスは、1.新橋・有楽町~浦安・千葉、2.新橋・有楽町~船橋・津田沼・佐倉、3.八重洲~幕張・稲毛・四街道、4.八重洲~蘇我・ちはら台・市原、5.八重洲~鎌取・あすみが丘・大網、5.有楽町・上野~三郷・流山・柏などがございます。

深夜バスは立ち席不可の定員制なので満員になったら乗れなくなってしまうのですが、金曜日以外は乗車率50%程度とのことで、利用はしやすくなっております。(土日祝日の深夜便は運休)

何かと帰宅が遅くなることが多い方は、このような通常の交通手段以外に帰宅手段があるといいですね。

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